「お前、なんでこの店入ったの?その顔で」

トシ、という名前の鼻筋のすっと通ったジヤニーズ系の顔をした男は、
毎日のように俺をいびってきた。
このとき俺が着ていた服も、かけていた黒縁メガネも、
この店では場違いだった。

「いやあ、僕みたいなのがー人いた方が、みなさんの美しさが引き立つと申しますか!」
そう言って笑いながら耐えていたが、
この男が嫌いで嫌いでたまらなかった。

いっそのこと店を辞めてしまおうかと思ったが、
それはできなかった。

バイトの面接では緊張してほとんど話すことができず、
この店に入るまでに五つの面接で落とされていた。
そんな俺をやっと拾ってくれた店だった。

そうやってなんとかこの店にしがみついていた俺だったが、
ある事件が起きた。

理沙という客がいた。
理沙は銀座のホステスで、
俺が席について話せるようになった最初の客だった。

ただし、俺の魅力で席に呼ばれているわけでは決してなく、
彼女は従業員で暇そうにしている奴を誘って
欽んでくれるという優しい子だった。

店に入ってから三ヶ月、
初めてついた席で、
俺は震える手でグラスを持ち、
客のグラスより自分のグラスの口を下げて乾杯し、酒を飲んだ。

理沙はそこらへんの芸能人にも負けてないような綺麗な女だった。

その理沙が帰り際、階段の踊り場でトシとキスをしているのを見てしまった。

ショックだったのは、
俺が理沙のことが好きだったからではない。
いや、それもある。それもあるが、
それ以上に腸が煮えくり返ったのは、
理沙の相手がトシだったということだ。
あんな顔が良いだけの、
最悪の男になんでお前がホレてんだよ!

その光景を見た瞬間、すべてが、嫌になった。

モテるために努力をする。
しかし、どれだけ努力しても、
この努力は実らないんじやないか?

結局、男は顔なんじやないか?
「男は顔じやない」なんていうけれど、
今、目の前にある現実は、
イイ男とイイ女が楽しそうに話してキスをする、そんな恋愛だけだった。

「男は顔じやない」なんて言葉は、
ブサイクをなぐさめるためにプサイクが作り出した、
善意のウソなんじやないのか?

そんなことを考え出すともう何をする気も起きなくなった。
このとき俺が持っていたのは、
「世の中のすべてのイイ女は自分のことを好きにならない」
という自信だけだった。

俺はこの店で働く気力を失いかけていた。

そんなときだった。
俺があの人に出会ったのは。

ススム、という名前の新人が店に入ってきた。
新人と言っても彼はすでに三十歳のおっさんだった。
そして何よりススムさんは、
絵に描いたようなブサイク顔だった。
稜線が存在しないような平たい鼻、
異常につき出た、たらこ唇。
そして腫れぼったいー重まぶたは、
まるで眼鏡を外したときの、のび太のようだった。

「この顔じゃさすがにきびしいだろ…..」
自分のルツクスに自信の持てない俺ですらそう思った。

しかし、数日後のことである。

学生をしながらのアルバイトだったので、
俺が店に出ていたのは週に三日ほどだったが、

ススムさんは社員を希望していたので、
いきなり週六日で働きだした。

俺が何日かぶりに店に出てホールに突っ立っていると、
店長がこんなことを言い出した。

「ススム、あれ、行くか」
するとススムさんは
「はい」と返事をすると同時に、
するするとスーツを脱ぎ始めた。

「な、何が始まるんだ·….?」

茫然と見守っていた俺のそばで、ススムさんはあっさりとパンツー枚になった。

そして、店の冷蔵庫から、
コーラ、ウーロン茶、オレンジジユースなどの
1.5リツトルのペツトボトルを取り出して、カウンターに並べた。

客も従業員もニヤつきながらススムさんを見ている。

「それでは行かせていただきます」
ススムさんはまずはコーラのペットボトルを開け、おもむろにイツキ欽みし始めた。

これが、すごいのである。

確かに、イッキ飲みを得意とする人はいる。
彼らは1.5リツトルのペツトボトルをいとも簡単にイツキしてみせる。

しかし、ススムさんは違った。
ススムさんは、明らかに、イツキ欽みが得意ではないのである。
むしろ苦手なのである。
顔を真っ赤にして、涙を流しながら
コーラと格闘(この姿はまさに格闘という言葉がふさわしかった)するのである。

しかもイツキ欽みによくありがちな、
半分以上床にこほすなどということもせず、
誠実に、誠実に、一滴もこぼさず飲み統けるのである。

そして、パンツー枚になった理由はどこにも見当たらないのである。

しかし、謎にコーラと戦い続けるススムさんの蛮勇さは異常なまでに場を盛り上けているのだった。

「あの人、面白い!」などと言われ、
いろいろな席に呼ばれるススムさんは、
俺が店に出ていなかった数日問でまたたくまに人気者になっていた。

この「ススムイツキ」を見た俺は、脳天に落雷が落ちるほどの衝撃を受けた。

果たして今の俺に、
「結局、男は顔だ」などと言う権利はあるのだろうか?

俺は、すべての方法を試したのか?
モテるために、限界まで努力したのか?
答えはNOだった。

俺は、
イツキ飲みをして場を盛り上げるという、
その気になれば誰でもできる行動ですら
まだトライしていないのだ。

ススムさんの裸の背中は、俺にそのことを教えてくれた。

晴れの日ばかりではない。

雨の日もある。

どしやぶりの日もある。

しかし、恋愛にどれだけ絶望しようとも、
まだ、お前には試したことのない方法が存在するはずだ。
引用元
LOVE理論

あなたが動けない理由には思ってもみなかった習慣があったんです。
それを逆手にとってある場所に入れてしまえばそれは自然現象となって行きます。
息をする位に新しいオスの魅力が習慣になって行くそのあり得ない方法とは

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2018.2/2 降った雪はシャーベット状だったけど、
     運転は甘く見てはいけないそうです。
     そちらはどうでした?

2018.1/31 夜中ドア開けて見上げたら、皆既月食見れた。
     なんか得した気分。

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プロフィール 宅急便時代

プロフィール 便利屋時代

プロフィール 自衛隊時代。

プロフィール 少年時代 

慣れ親しむと楽しむことが出来る

苦しいこと、つらいことを逆に楽しめないか

それは、苦しいこと、つらいことに、
馴染んじゃうと、慣れ親しんじゃうと楽しくなる。

だから苦しいとき、つらいときは、
”もっと馴染んじゃえば、
もっと慣れ親しんじゃえば楽しめるんじゃないか?”と
自分に問いかけてみてください。

苦しい、つらい状況、状態にいる時は慣れ親しんで楽しめる状況、状態
に向かってるんだと考えてください。

①何をつらい、苦しいと感じているのかを見極める。
②それ自体を楽しむということを目的にする。目標にする。

見極めて「楽しむ」と思うところがポイントです。

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